江刺市中心市街地
「まちづくり」を考える
2001.07
川原町から中町にかけての歩行者専用道路が「蔵町モール」と決定しました



川原町商店街振興組合理事長・蔵町モール連絡協議会会長 本庄英雄さん
 私共組合は、組合員個々の事業の健全な発展に寄与し、又共同事業を通し地区内の環境整備や公共の福祉の増進を目的に設立以来15年経過してきました。この間思考錯誤を重ねながら数多くの事業に取り組み、現在は次の様な事業に取り組んでおります。年度始めの多目的広場の草取り奉仕から始まり、毎週日曜日の広場と停留所の清掃、街路灯事業、中心市街地から発信する文化とも云える古峰神社七夕まつり・盆行事、又、時宜を得た講話を新年会で、季節ごとの商店街装飾、オルゴールによる街頭放送等々、さらには会議所事業・商店街全体事業、自治会事業への協力等、益々組合の存在は大きくなるばかりですが、現状は商業活動の中心であった中心商店街において空洞化が進み、経済状況の悪化も加わり、各商店、商店街ともに非常に厳しい状況下にあります。
 しかし、こうした厳しい中にも明るさも見えます。中心市街地活性化に向けた事業が市役所、会議所で取り上げられ、明神通りの整備、川原町南大通り線の歩行者専用道として部分開通、この機会に川原町・中町・南大通り三町が連絡協議会を結成し歩行者専用道の愛称を募集し「蔵町モール」と決定。今後は「蔵町モール」を中心に川原町・中町・南大通り三町の横の情報の共有、線から面へと思考の広がり、そして大きな共同体へと発展して行けたらと考えています。
 元気な明るい商店、骨太な商店街へ向って他の商店街と共に発展して行けたらと…。
蔵町モールの愛称募集表彰式

岩商連会長 佐藤義二さん
 都市計画による中町の蔵町作り又、蔵町モールの一部開通など諸事業によって市外からのお客様が江刺の中心商店街に見られる様になり、その経済効果も一部の商店街に表われている様に思われ積極的な姿勢のお店も見られる様になって来ました。
 しかし、商店街全体に目を向けますと、最近の消費不況も手伝って大変苦戦をしている所が多い様に見られます。
 そんな状況の中で、岩商連としては商工会議所等のご協力をいただき各商店街の情報交換や研修会等を通して各商店街に少しでも役立つ様に活動を活性化していきたいと思っております。
 すぎた事を言訳ばかりしても何も始まりません。元気と勇気を出して明るくお客様のために、そして自分達のために頑張りましょう。
音を演出する遊歩道(明神通り)


中町商店会会長 菊池毅さん
 都市計画街路拡巾工事も来年3月をもって完了。又川原町、南大通りの歩行者専用道路も一部盆すぎより工事着工し、来年の3月で完成される見込みです。
 ハード面よりのこの10年、工事着工以前よりはみちがえる程全く新しい街路ができ、蔵を活かした景観もすばらしくきれいな街になりました。これまでの10年間、中町地区住人の協力や一部貸家による方々の理解のもとに、ほぼ完成したのですから、住む人達が大切に環境を守っていつまでもきれいな街を維持することは当然なことであります。ただ、中町の小売商業者にとっては、今どんな立場にあるのかいわば商業環境はどうなのか…
 10年前の中町商店会組合員数70人、現在40人と減少。特にも表通りの小売業が24店あったのが現在12店に減少。そして商業集積もまばら。こんな状態のなかで残った小売業者で新しい賑わい、販売促進を計ることは全く大変なことでございます。かと言ってさける事はできません。いわば重大な課題を背負わされたということです。又街に住む定住人口が年々減少している背景でございます。中町もサティ地区に移転した人も多いのです。いずれ商業環境が年々厳しくなっています。このような状況をふまえた上で、中町商店会としては、どのような活動をすべきか又どのような事ができるのかをこれからの街づくりの出発点(原点)と考えています。
 いままでの活動をふまえて以下目標を箇条書きします。
(1)環境の美化に努める…花いっぱい運動
(2)黒壁ガラス館との協力…観光客受入やイベントの際の協力
(3)特色のある街づくり…食べ歩きの街
△手づくりの街…煎餅、漬物、豆腐、菓子製造販売
△食堂、料亭…らんめん、郷土料理
(4)イベントの開催…歩行者専用道路の活用、商店会独自の朝市又は夕市の開催
(5) 商業集積を計る…中町にない業種の導入、起業者への斡旋
(6)月例理事会の開催…月に最低一回以上
 現在黒壁ガラス館を中心に観光客が増加傾向にあります。そしてお客様の7〜8割は女性客です。そのような女性客にどのような対応をすべきか女性の感覚が必要です。そんな事情などから中町商店会の理事に2名の女性になっていただきました。
 最後になりますが、街づくりにたずさわる人達は皆んな街の踊り手(ピエロ)。生涯踊り続ける覚悟がなければ務まらないと考えます。時代はいつも流れています。これで良いという事はございません。常に前向きに考えていきたいと思います。

南大通り振興会会長 宍戸時雄さん
「南大通りとして」
 南大通り振興会は現在会員28名で「サービス業飲食経営の会員が多い」旧一日市を軸とした地域です。近辺には江刺唯一のホテルと郵便局、物産センターがあり市民の利用者の多い場所ですが歩行路は中町方面から狭い小路が通っているので不便さがあります。今年度川原町から中町への遊歩道が出来て中町から南大通り地区への遊歩道の完成が待たれております。完成により各商店街との回遊をする事が出来蔵出市や逸品セール、スタンプラリー等の企画に参加を図り、又夏まつり行事・七夕飾り・秋葉神社行事等への協力が実施できます。
 南大通りの長年の懸案でありました街路灯の整備設置を8月をめどに行政と各関係団体の協力により進めております。TMOによる中心市街地活性化構想が展開されておりますが、個々の特徴を生かした魅力のある店として、又商店街として消費者のニーズに応えるよう会員相互の親睦、情報交換や研修会を持ちながら活力ある街づくりへのスタートを切ったところです。

南町商店振興会会長 橋本善二さん
 南町商店振興会は13人の会員で構成され、うち、商店と云われるものが4店、ほか、建設、建築、製造、製作、運輸と云う企業の協力で成り立って居ります。商店街としての機能がはたせません。ただ、会員の商店の人達は個々の努力によって地域一番店を目指し頑張って居るところです。
 この様な事情を抱える当商店振興会にとって他地区との共同のイベント等は、なかなかできないのが現状です。そこで明治記念館、毘沙門天皇を併せもつ地域として、これらを利用した例祭等により市の開催などを商店振興会独自でやろうと企画中であります。また、現在当振興会としてのホームページも製作中でありますので、市営循環バスが南町にも乗り入れてもらえればと思って居ります。

大通り商店街振興組合理事長 柏山満男さん
 街づくり三法が制定されて3年目を迎え各地区商店街が活性化に向けてTMOの設立を活発に行っているようですが、長引く景気低迷の下、倒産や廃業が相次ぎ、商業をとりまく環境はますます厳しく、大量生産、大量販売の時代は過ぎ去りつつあるようです。先行きに明るさが見えない景気動向に、我々商店街も真剣にそれぞれの店の在り方について、見直すべきと思います。
 「街づくりについて」とのことですが、今、小泉首相が不況対策として、構造改革、金融機関の不良債権の早期処理を唱えておりますがそれによって失業者が現在よりも100万から170万人も増加すると予想されています。早期回復はとても期待できず、消費低迷が長引くものと思われます。また一方ではユニクロの好調に見られるよう低価格の商品が売れる状況、そして無店舗販売、ネット販売と新たな商業の形態にかわりつつあるように思います。一時期の規制緩和による大型店の郊外進出による影響を受けたわけですが、最近は身近な町内の店を利用したいとの声も聞こえますのでそれぞれの店がお客様の要望に即応できる品揃え価格体制等を整え安心して気軽に立ち寄れる店にすることが街づくりの第一歩だと思います。

六日町振興会会長 川村敏雄さん
 商店街の活性化を如何になすか、そう叫ばれて久しい。都市計画事業を取り入れて商店街の近代化をして、外観は変わったが中身が変らない、変ろうとする意識改革が乏しい。
 起死回生の妙薬はあるのだろうか。
 中心商店街の賑わいと活性化、個店のやる気が永遠のテーマでありましょうか。
 個店の活性化にはメーカーや専門ルートから情報収集、そして前向きに挑戦する、その店独自の個性の発揮、大型店やロードサイド店にはない顧客との心のふれあいを大切にし毎日を大切にして行く事だと思います。今回行われる蔵出市の出店及逸品セール、スタンプラリー等にも積極的に出店参加する事が大事だと思います。蔵出市に出店するには、自分の店を売り込み、何をメーンにすれば良いのか、逸品セールでお客さんに来てもらうには何が良いのか、自分の店を見直す良いチャンスだと思います。蔵出市、産業まつりや中元売出し、初売り等のイベントにも参加し、各個店が所属商店街に新しい風を送る事が商店街の活性化に一つ一つ進むのだと思います。

本町振興会会長 戸田秀一さん
本町は、裏は山、前の方は人首川という地形であり、昔は約70戸ほどの戸数があった。うち店舗は十数店の店舗があり特に飲食店が多く少ないながらも商店街形成が出来ていたため商店街事業にも参加する事もでき、また本町独自で祭り事も行う事が出来たのである。しかし本町は県道であるが最低の道路幅にて舗装されたものであり交通量も多く県道の拡幅が必要となり、移転による戸数も約半分の三十数戸となり店舗も4店舗に減少した。そのため空店舗、空家が多くなり、これ等を解決しなければならない。そのために根本的に考えていくとともに地元住民の協力が必要となってくる。しかし街造りの条件が無い訳ではない。第一に人首川河川敷公園が有る事。第二に江刺県の副知事の石碑の活用。第三に藤原の郷への入口に便利であり、夢の橋の景観が良い。以上の事を考えに入れて街造りを行う。そのために空店舗、空家の対策を行って行かなければならないのである。

江刺商工会議所青年部会長 鈴木敦さん
 江刺のまちづくりを考えるとき、やはり中心市街地の活性化が重要な課題であると思います。商青連の全国大会の分科会などでも、中心市街地の空洞化問題やTMOの活動事例が必ず取り上げられます。江刺の蔵を活用したまちづくりは、同じ問題を抱える全国の地方都市から注目されていると思います。
 黒壁ガラス館と黒船オルゴールを結ぶ蔵町モールも完成し、明神通りも整備されて、訪れる人々の回遊性も非常に高くなったのではないかと思います。青年部と致しましても蔵出市等に参加し、賑わいの創出やまちづくりの一翼を担っていきたいと考えております。昨年度は、岩手県連、北緯40度連携軸、東北ブロックの各種会議を江刺で開催し、蔵のまちをPR致しました。
 また、今年はNHK大河ドラマ「利家とまつ」のロケに松嶋菜々子を始め人気女優、人気俳優が沢山やって来ますので、えさし藤原の郷と連携した積極的なPRで観光客の誘致を行い、中心市街地に更なる賑わいを創出できるのではないかと期待しております。
ストラックアウトで豪華景品をねらう(蔵出市)

江刺商工会議所女性会会長 高橋キミノさん
 ある会議の帰り会長のMさんから「話しがあるんだけど」と言われ、はて何かナと思いました。「一度会議所か公民館を借りて、お雛様の展示をしてみませんか。古いお雛様や、子供が大きくなって全然出さないヨというような人に協力して貰って一堂に展示をしてみたいと思っています。一緒にやってみませんか。」ということでした。
 それは大変な事だナ思いながらも、やってみてもいいナと思ったのです。
 広い場所に沢山の段飾りのお雛様や、手作りのお雛様、お人形等さぞかし壮観だろうナと思います。
 市か会議所主催の催しものがある時、一つのスペースにお雛様の大集合展をやって、みなさんに観て頂きたいのです。片隅に麦茶でも置き、それに一寸したお土産も置いたらどうでしょうか。町おこしの一つになるような気がします。

(社)江刺青年会議所理事長 菊地成敏さん
 平素より江刺青年会議所の活動に対しまして、深いご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本年度、江刺青年会議所では「絆深め 夢育む 築こう江刺の新世紀!」のスローガンのもと、本年度事業として、21世紀の主人公たる子供たちに、自分たちのふるさとである「わが郷土えさし」の未来予想図を想像力豊かに描いていただき、夢いっぱいに語り合う「こども未来会議」を計画致しております。
 現在、江刺では都市成長力や中心市街地の活性化など、明るい話題も数多くあります。しかし、今後は全国的なことですが、少子高齢化や財政の問題など多くの課題がのしかかってくると思います。その中で、次の世代に何を残してあげられるのか?そして、このまちにいかに誇りをもてるかを、ひとりひとりが真剣に考えていくことが重要と考えています。
 江刺の各方面で頑張っている人を批評するだけでなく、とび込んで応援する「こころ」豊かな人が多く住むまちであってほしいと願います。今後ともご協力お願い申し上げます。


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